親子の努力が実った瞬間
今週の、とあるレッスンにて。
「まるで別人が弾いているよう・・・・」
ある生徒のお母様がレッスン中に、思わず出てしまった一言です。
元から練習をよくしてくる生徒でしたが、f(フォルテ)で速いパッセージを弾く時一番難しい「体の力を抜く」という課題に長い間ぶつかっていました。
速いのに指や腕に力が入ったままだと、重く聞こえたり、遅く聞こえたりします。
同じ場所を何度も何度も練習しているのにできるようにならないならば、練習すること自体無駄なのではないだろうか。。。
そんな言葉さえ出るぐらい、先週のレッスンでは生徒もお母様もため息が出ていました。
体の力を抜いて弾くという感覚は、「感覚」のため、言葉で伝えようとすると、一度に一面しか表すことができず、様々な角度から伝える必要があるかと思います。
私も試行錯誤で言葉を選んで伝えていましたが、生徒はなかなか感覚をつかめず。。。
先週、お母様から、「あともう少しアドバイスください!」とのことで、
「f(フォルテ)は、腕の力を使わずに、自分の体重を指に乗せるように弾いてみよう!!」
と、大げさに自分の上半身の体重を指に乗せてfを出し、p(ピアノ)にする場合は乗せていた上半身を引くことにしました。
その練習を1週間して来てもらいました。
1週間後。
速いテンポでは、できませんでした。。。とゆっくりのテンポで体重を乗せたり取ったりして弾いていました。
体重を乗せたり、取ったりするタイミングがうまくできているようだったので、速いテンポで弾いてもらいました。
すると!!
なんてスムーズなきれいなパッセージでしょう〜〜!!
f(フォルテ)の音も、すんなりと耳に入ってきて、なんて心地いい音〜〜!!
「こんなにきれいに弾けたら、気持ちいいでしょう〜??」と生徒に聞くと、
笑顔で「・・・はい」と答えていました。
お母様は「・・・・別人が弾いているみたい・・・」と大変喜んでいらっしゃいました。
長い期間、諦めずにひたすら練習を続けてきた、「親子の努力」が形になって現れた瞬間でした。
それはそれは、きれいな音色でした〜!
私も講師として、このご家族を通して成長させて頂きました。
ありがとうございます。